目次

1701 P&ID機能概要

はじめに

P&ID図(Piping and Instrument Flow Diagram)とは、以下の図のことを指します。

  • プラントの機器、ライン、バルブ、計器類などをシンボルで図式化したプロセスフロー図
  • 機器、配管、電気などの詳細設計および現地工事、運転に必要なプラント全体の技術系統図

P&ID図上には機器、(プロセス)ライン、計装ライン、機器仕様などを記入します。

一般的な図面同様、プロセスとは直接関係ない表題欄、図面枠、図やテキストなども記入できます。


処理フローは原則として左から右にし、上下も意識します(実際の機器に上から入って下から出る処理の場合は、P&ID図面上でも機器の上から入力して下から出力させます。)。

多くの場合、1つのプラントプロセスは複数図面に分割するため、ラインが図面間をまたがる場合は「別図取合」シンボルで接続先が分かるようにします。


本機能はこのP&ID図面上に機器、(プロセス)ライン、計装ライン等のP&IDモデル(単にモデルともいう)を作成する機能です。

モデルは図面に属します。異なる図面に同じ機器を入力することも可能ですが、その場合は別のモデルとなります。

P&ID機能分類

  • フレームワーク機能

    P&ID主要機能となる図面作成を操作するメインウィンドウ機能、およびメインウィンドウと連携操作する各ウィンドウ機能の総称をフレームワーク機能と呼びます。

      • アプリケーションメニュー
      • メニュー
      • リボン
      • 一覧ウィンドウ
      • ツリーウィンドウ
      • メインウィンドウ(共通)
      • プロパティウィンドウ
      • カラーリストウィンドウ
      • フィルターウィンドウ
      • 検索ウィンドウ
      • カラー条件設定ウィンドウ
      • シンボルウィンドウ
  • プラント属性機能

      • カラーコード
      • レイヤセット
  • P&ID作図機能

      • シンボル編集
      • 任意図形編集
      • 機器編集
      • 配管ライン編集
      • 計装ライン編集
      • 機器仕様編集
      • 編集共通
  • 入出力機能

      • 図面設定
      • 印刷
      • エクスポート
  • リスト機能

      • 機器リスト
      • ノズルリスト
      • ラインリスト
      • パイプランリスト
      • 一般弁リスト
      • 計装品リスト
      • 配管付属品リスト
      • 機器仕様一覧
  • エラーチェック機能

  • 3D連携機能

      • 3Dモデル表示

画面構成

V10統合環境プログラム(eyx)の画面について説明します。

各メニュー、ウィンドウの操作の詳細については、「17-08 P&ID編集画面(基本メニュー)」、「17-09 P&ID編集画面(フレームワーク)」、「17-10 P&ID編集画面(プロパティ)」を参照してください。


  1. アプリケーションメニュー

    Luの操作やDBの読み込み、bgフォルダを開くことなどができます。

    基本操作については、「17-02 基本操作」を参照してください。

  2. クイックアクセスツールバー

    よく使うメニューを登録することができ、表示場所も変更できます。

  3. リボンエリア

    Luの操作や、図面を操作するための機能、ウィンドウの表示に関する操作などが表示されます。タブをクリックすることで機能を切り替えることができます。

  4. ツリーウィンドウ

    Lu全体の内容がツリー表示されます。ウィンドウ自体をドラッグして移動することでドッキングを解除したり再配置したりすることができます。

  5. メニューバー

    プルダウン形式の操作メニューが表示されます。

  6. メインウィンドウ

    アプリケーションごとに異なる操作を実行するウィンドウ。テキストなど共通で使用されるウィンドウや、図面やリストなどが表示されます。

  7. プロパティウィンドウ/シンボルウィンドウ/カラーリストウィンドウ/フィルターウィンドウ/カラー条件ウィンドウ

    選択したモデルやコンポーネントのプロパティやカラー、フィルターなどの設定ウィンドウがタブ表示されます。各タブをドラッグして移動することでドッキングを解除したり再配置したりすることができます。

  8. 一覧ウィンドウ

    メインウィンドウ(図面など)に表示しているオブジェクトを一覧表示できるウィンドウです。ウィンドウ上部の一覧ビュー設定から表示項目列を設定したり、ドロップダウンリストからフィルタリングすることができます。また、一覧表示から選択した項目を図面上で拡大することもできます。ウィンドウ自体をドラッグして移動することでドッキングを解除したり再配置したりすることができます。

  9. 作業エリア

    図面を操作するための作業ウィンドウが表示されます。

    (4)~(8)の各ウィンドウの表示/非表示は(3)の「表示」タブで設定できます。

    ※Luを開いていない場合は「ホーム」タブから設定します。

ウィンドウのドッキング操作

ツリーウィンドウや一覧ウィンドウなどドッキング操作が可能なウィンドウは、以下のようにしてドッキングを解除したり再配置できます。

ここでは、ツリーウィンドウを例に説明します。

  • ドッキング解除

    ツリーウィンドウの上部にカーソルを合わせて、ドラッグします。

  • ウィンドウの再配置

    ドッキング解除したツリーウィンドウの上部にカーソルを合わせ、ドラッグすると画面の上下左右とウィンドウエリアに以下のような配置アイコンが表示されます。

たとえば、解除する前の画面左位置にツリーウィンドウを配置したい場合は、画面の左の配置アイコンにツリーウィンドウをドラッグします。

配置位置(青い点線で囲んでいる部分)が表示されたところでドロップすると、ツリーウィンドウが再配置されます。

の配置アイコンは、アイコンが表示されているウィンドウエリアの中にウィンドウを再配置したいときに使います。

以下のようにウィンドウエリア内の配置アイコンにツリーウィンドウをドラッグすると、配置位置(青い点線で囲んでいる部分)が表示されます。※ここでは左の配置アイコンにドラッグしています。ドロップするとウィンドウエリア内にツリーウィンドウが配置されます。

図面要素

P&ID画面に表示される要素のうち、選択できるオブジェクト(図面要素)について説明します。

図面要素は大きく2種類に分けられます。


  • 配管や機器などの図形要素
  • 図形要素の属性文字列(一部引き出し線や風船など図形要素も含む)
    ※まとめてタグ類と分類します。
No. 図面要素 一覧ビュー
の分類
レイヤ# 説明
1 機器 機器 機器は機器シンボルを配置することで生成されるオブジェクト。
機器から配管を生成すると、ノズルが自動で生成されます。「機番」や「機器名称」などのタグを発生させることもできます。
2 雑機器 機器 機能は機器と変わりません。V9以前のデータ互換のため残しています。
3 機器付属品 機器付属品 ノズル、レッグ、ラグなど機器の構成要素で親となる機器を選択すると入力できます。配管付属品と一緒に移動、コピー、削除できます。液面シンボルなど物理的な部品ではないものもあります。
4 特殊機器 機器 ユーザ定義の機器(機器としての機能を持ちます)。
「機番」「機器名称」などのタグを発生できます。(V9ではノズルの自動生成はできません。)
5 ノズル ノズル 配管と接続する機器付属品の1つです。機器に配管を接続するときに自動で生成することもできます。
6 機番 タグ類 18 「機番」プロパティの文字列をレイヤ設定に従って図面に表記したものです。
レイヤ#18で制御されます。
7 機器名称 タグ類 22 「機器名称」プロパティの文字列をレイヤ設定に従って図面に表記したものです。レイヤ#22で制御されます。
8 配管または
ライン
(配管ライン)
配管ライン 機器間、または配管分岐部から機器までなどの1つながりのラインのこと。
9 パイプラン パイプラン ラインのうち、同一サイズ、同一スペックのパイプが連続した部分。
ラインは1つ以上のパイプランで成り立っています。
10 配管ラインエッジ - 配管ラインの直線部。
11 計装ラインエッジ - 計装ラインの直線部。
12 ラインマーク タグ類 4-8、21 ラインエッジから発生する配管仕様の文字列。
エッジが削除されると、ラインマークも削除されます。
13 配管付属品 配管付属品 配管ラインと接続するシンボルです。
ラインエッジ上に挿入または単独に配置して配管ラインと接続します。
配管付属品アクセサリを複数持つことができ、「サイズ呼称」、「クラス記号」、「タグNo.」、「シンボル文字」を発生できます。
14 一般弁(バルブ) 配管付属品 配管付属品のタイプの1つです。
「バルブタグ」を発生できます。
(レイヤ#3が1のときに)配置すると「サイズ呼称」が自動で発生します。
15 配管付属品
アクセサリ
配管部品
アクセサリ
配管付属品につく補助的なシンボル。
本要素は配管付属品と一緒に移動、コピー、削除されます。
16 計装品 計装品 配管付属品のタイプの1つです。
配管ラインや計装ラインに接続でき、計装品アクセサリを持つことができます。
一部の計装品シンボルは「タグNo.」をシンボル内に発生します。
バルブタイプの計装品は「弁作動」文字を発生できます。
17 計装品
アクセサリ
配管部品
アクセサリ
計装品につく補助的なシンボル。
本要素は計装品と一緒に移動、コピー、削除されます。
18 機能シンボル 配管付属品 配管ラインに挿入するとサイズ変化、クラス変化など属性など変更する機能をもつ
19 サイズ呼称 タグ類 3 配管付属品から発生するサイズ呼称の文字列です。(レイヤ#3が1のとき)一般弁を配置すると自動で発生します。
20 クラス記号 タグ類 3 配管付属品から発生するクラス記号の文字列。
21 タグNo. タグ類 2、10 配管付属品から発生する「タグNo.」プロパティの文字列。
一般弁を配置した場合は発生しません。
EYEPIDでは、計装品の「タグNo.」はレイヤ#10、(計装品ではない)配管付属品の「タグNo.」はレイヤ#2で制御されます。
22 バルブタグ タグ類 3、16 「バルブタグ」レイヤ設定に従って図中に表記したもの。
一般弁から発生できます。
レイヤ#3,#16で制御されます。
23 弁作動 タグ類 計装弁から発生する「弁作動」プロパティの文字列です。
24 断熱記号 タグ類 配管付属品の「断熱」から発生する断熱記号の文字列です。
25 付属文字 タグ類 配管付属品、機器付属品から発生できる文字列です。
26 機器仕様 タグ類 12、13 図中に表記する機器仕様です。レイヤ#12,13で制御されます。